2020.10.21車椅子やストレッチャーでのお出かけ

 

1.車椅子での移動
ー押し方
ーブレーキのかけ方
ー段差の昇り方
ー段差の降り方
ー坂道の上り方
ー坂道の下り方
2.ストレッチャーでの移動
ー押し方
ーブレーキのかけ方
ー段差の昇り方
ー段差の降り方
ー坂道の上り方
ー坂道の下り方
3.注意すること
ー転落・転倒
ー路面状態
ー圧迫
ーその他
4.公共交通機関の利用
ーバリアフリーへの対応
ー駅構内での移動、乗車・降車
ー車内多目的室の利用

 


利用者さんによって利用している車椅子は様々です。
車椅子の種類には、自分で車輪を回して移動するもの、自動で動くもの、介助が必要なもの、
リクライニングできるもの、などがあります。

事前にチャットなどで車椅子の種類などを確認しておきましょう。
事前のチャットで確認することは下記リンクをご覧ください。
ドコケア学vol.4-②お出かけ準備(介助者さん編)
ここからは、介助用車椅子での移動方法を説明します。
ブレーキの位置や操作方法を確認後、移動を開始しましょう。

【押し方】

・車椅子の真後ろに立ち、手押しハンドルを両手でしっかり握る
・利用者さんには肘掛けを握り、足はフットサポートに乗せてもらう
・麻痺がある場合は、麻痺側の腕を太ももの上に乗せる
・普段からベルトなどで身体を固定している場合は、車椅子を動かす前に固定する
・押す前に必ず声をかけ、前後左右に注意しながらゆっくり押す

【ブレーキのかけ方】

・車椅子の後方に立つ
・介助者用ブレーキをかけ、車椅子を停止させる
・片手で介助者用ブレーキを握ったまま、もう片方の手でブレーキをしっかりとかける
・反対側のブレーキもかける
・車椅子から利用者さんがずり落ちる可能性があるため、急なブレーキはかけないように注意する

【段差の昇り方】

・前輪を段差の手前まで進める
・利用者さんの背中を背もたれに付けてもらう
・ティッピングレバーを踏み、手押しハンドルを手前に引き込みながら前輪を持ち上げる
・段差の上に前輪を乗せ、後輪が段差に当たるまで押し上げる
・太ももで背もたれを押し、段差を乗り越える

【段差の降り方】

・段差の手前で方向転換して後ろ向きになる
・太ももで背もたれを支える
・ゆっくりと後輪を降ろす
・ティッピングレバーを踏んで前輪を上げた状態で段差をおりる
・ゆっくりと前輪を下ろす

【坂道の上り方】

・手押しハンドルを両手でしっかり握る
・脇を締め、歩幅を広げてゆっくりと押す

【坂道の下り方】

・後ろ向きに方向転換する
・ブレーキを数回に分けてかけながら、ゆっくり下る

歩道を車椅子で移動していると、車両進入用の傾斜があり、手押しハンドルでの操作が難しい
ことがあります。
その場合は、傾斜側の手を手押しハンドルから肘掛けに持ちかえると、まっすぐに押しやすく
なります。

 


長時間の座位保持が困難な方がお出かけする場合、多くは車にストレッチャーを搭載して移動
します。
車中だけでなく、お出かけ先の施設までストレッチャーでの移動が必要な方もいらっしゃいます。

利用するストレッチャーによって使い方や構造が違うため、移動前にブレーキの位置や操作方法を確認しましょう。

ここからは、ストレッチャーでの移動方法を説明します。

【押し方】

・介助しやすい高さにベッドやストレッチャーを調整する
・利用者さんの頭側と脚側に立ち介助をする(2人で介助する)
・進行方向に利用者さんの視野が広がるように、脚側から先に進む
・脚側にいる介助者さんは、進行方向を向いて前方に障害物がないか確認しながら、
ストレッチャーを引く
・頭側にいる介助者さんは、利用者さんの様子を確認しながら、ストレッチャーを押す
・押す前に必ず声をかける

【ブレーキのかけ方】

・ストレッチャーを停止させる
・ブレーキはストレッチャーの下部にあることが多く、踏み込むことでブレーキがかかる
・ストレッチャーが動かないことを確認する

【段差の昇り方】

・利用者さんの頭側から昇る
・頭側の車輪を段差の手前まで進める
・頭側にいる介助者さんは利用者さんの方を向き、ストレッチャーを持ち上げながら段差を
乗り越える
・脚側の車輪を段差の手前まで進める
・脚側にいる介助者さんがストレッチャーを持ち上げ持ち上げ段差を乗り越える

【段差の降り方】

・利用者さんの脚側から降りる
・脚側の車輪を段差の手前まで進める
・脚側にいる介助者さんは利用者さんの方を向き、ストレッチャーを持ち上げながら段差を
乗り越える
・頭側の車輪を段差の手前まで進める
・頭側にいる介助者さんがストレッチャーを持ち上げながら段差を乗り越える

【坂道の上り方】

・利用者さんの頭側から上る
・頭側にいる介助者さんは利用者さんの方を向き、後ろに下がるように、ストレッチャーを引く
・脚側にいる介助者さんは、前方に障害物がないか確認しながら、ストレッチャーを押す

【坂道の下り方】

・利用者さんの脚側から下る
・脚側にいる介助者さんは利用者さんの方を向き、少しずつ後ろ向きに下る
・頭側にいる介助者さんは、前方に障害物がないか確認しながら、少しずつ下る

リクライニング車椅子を利用した方のお出かけは下記リンクをご覧ください。
利用者さんのある日のお出かけV0l.5

 


車椅子やストレッチャーでの移動中に共通して注意をすることがあります。

【転落・転倒】

車椅子、ストレッチャーには、利用者さんの身体を固定するためのベルトや、転落防止のための
サイドレールが付いています。
それらを利用しながら、安全に移動介助を行いましょう。

【路面状態】

路面の状態が悪い場合、車椅子やストレッチャーが揺れ、身体が大きく揺れたり、身体の位置や
座る位置がずれることがあります。
走行中は、路面の状態や利用者さんの身体の位置を確認し、必要時は移動ルートを変更するなど
対策を行いましょう。

【圧迫】

長時間の車椅子やストレッチャーの移動では、同じ部分に圧がかかるため痛みが出る場合が
あります。
こまめに利用者さんに確認をして、必要であれば体位変換やクッションの利用などを行い
ましょう。

【その他】

利用者さんによっては、点滴や人工呼吸器などを付けている方がいらっしゃいます。
それらが引っかからないように移動時はクリップでとめるなど、注意しながら介助を行い
ましょう。

 


公共交通機関を利用するときは、事前に利用する駅やバスのバリアフリーがどこまで進んでいるかを調べましょう。
「らくらくおでかけネット」では、駅などのバリアフリー情報を確認することができます。
らくらくおでかけネット

また、駅係員に介助を依頼することを考えて、駅には早めに向かうようにしましょう。

ここからは、お出かけで利用することが多い、鉄道利用について説明します。

【バリアフリーへの対応】

駅でのバリアフリーへの対応は大きく分けて以下のようになっています。
〇エレベーター → 介助者さんで操作可能
〇車椅子対応エスカレーター → 駅係員が操作
〇階段昇降機 → 駅係員が操作
〇自走式昇降機 → 駅係員が操作

バリアフリー機能がなく、人力で移動せざるを得ない場合は、利用者さんの表情や様子に
注意しましょう。

【駅構内での移動、乗車・降車】

人の利用が多い駅を利用する際は、駅員に誘導をしてもらうと安全です。

乗車・降車時は乗車板(スロープ)を利用する場合がほとんどですが、段差が小さい場合や
車椅子介助の経験がある方は人力で行うことも可能です。
その際は、ホームと車体の間の溝に前輪がはまらないよう、ティッピングレバーをしっかりと
踏み込み、注意して乗車しましょう。

【車内多目的室の利用】

処置などで多目的室を利用する可能性がある場合は、事前に乗務員や駅係員に伝えておくと
利用がスムーズです。

 



↓過去のドコケア学の記事はこちら

Vol.1 お出かけ時の感染対策

Vol.2その① 登録方法(依頼者さん・利用者さん編)
Vol.2その② 登録方法(介助者さん編)

Vol.3 お出かけ時のマナー

Vol.4その① お出かけ準備(依頼者さん・利用者さん編)
Vol.4その② お出かけ準備(介助者さん編)

Vol.5 お出かけ時の救護

Vol.6その①お出かけ&トラブル(依頼者さん・利用者さん編)
Vol.6その②お出かけ&トラブル(介助者さん編)

Vol.7 視覚障害の方のお出かけ
Vol.8聴覚障害の方のお出かけ