医療・介護職と相談者をつなぎ、介護離職を防ぐ|株式会社F・Link(フリンク)との「共創」
ドコケア共創パートナーである、株式会社F・Link(フリンク)代表取締役の若井奈美(わかい・なみ)様にインタビューをおこないました。介護予防における外出支援の必要性や、ドコケアとの連携に至った想いを語っていただきました。
株式会社F・Linkの概要
全国で初となるキャンピングカーを使った移動型の保健車両で「移動ほけん室」を展開。「健康相談ブース」「簡易検査室」時にはチームが集う「ナースステーション」となり、人々の健康づくりを支える活動をおこなっています。
ドコケアにご関心をいただいたきっかけを教えてください。
代表の川添様の活動については、同じ保健師として注目しておりました。
実際に、私は母の介護をしていますが、困る場面が多くあります。誰かが着いていかないと外に出られない窮屈さをずっと感じていました。
さらにコロナの影響で、公的な支援自体も難しい現状があります。
定期的な予定は調整可能ですが、急な通院などは、ボランティアに頼るか、職場に迷惑をかけて休まなければいけませんでした。
その中で「ドコケア」の発想は、介護に直面している自分自身にとっても必要で、移動に困っている人をたくさん救うことができるものだと感じました。
ドコケアと提携した理由を教えてください。
弊社の事業目標は、「移動が困難で健診サービスや公的な健康支援が届かなかった地域にこちらから出向き『医療格差』『健康格差』をなくしていくこと」です。
その目標にマッチした事業を一緒に発展できれば、とても嬉しいことだと思いました。
また、弊社は親の受診を支えるための「親の受診手帳」を作成しています。この手帳は、親の受診に付き添えず困った時にその他の家族や介助者と「情報を共有」するものです。
ただ、受診に対し移動支援が必要な方々はたくさんいると感じています。そういった方々に弊社とドコケアで連携してサービスを提供していきたいと思います。
さらに、医療・介護職の新たな活躍の場を探し提供する取り組みも行なっています。
現状の課題としては、スキルを活かしたい医療専門職や介護職の活躍の場が、ボランティアになることが多い点があげられます。
活躍の場を創ろうとしていますが、いちからとなるとなかなか難しいです。
ドコケアであれば、専門職が少しずつ自信をつけながら段階を踏んで活躍の場を広げられます。また、専門職が自分の生活スタイルに合わせて活躍できる点も魅力だと思います。
ドコケアにどのようなことを期待しますか。
移動が不自由で「今、みたい」「今、行きたい」と思いながらも叶わなかった人たちの「今」が叶うようになれば素敵なことです。
最近、母の「桜がみたい」という言葉に、仕事も日々の介護もあるなかで、姉が時間と体力をやりくりしてなんとか満開の桜を見ることが叶いました。桜など見頃に限りがあるものだと、すごく難しいです。
連携を通して、もっと気軽に「今」が叶うことを期待しています。
今後の連携の展望としては、ドコケアと親の受診手帳でコラボできればいいですね。ドコケアで初対面の介助者の場合、親の受診手帳で利用者の情報を確認できるようにしたいです。
本人や家族が、必要な情報をすべて漏れなく自分で伝えるのは大変だと思います。
親の受診手帳は、もともと仕事と介護の両立をサポートし、介護離職を防ぐという産業保健の観点から生まれたものです。
ただ受診手帳を持つだけではなく、地域とどうつなげるのかが課題としてあり、ドコケアとの連携により解決できると感じています。
また、実際に一般企業の保健室として、労働者の方の介護相談を聞くこともあります。介護の問題と成人の健康問題は、つながっているはずなのに、切り離して考えられており、産業保健で問題を拾っても、解決策を提示できないことも多いです。
そこで、ドコケアの紹介を通じて介護職へつなぐことができれば、相談者さんにとっても有益な情報が得られます。会社にとっても離職が防げるので嬉しいことだと思います。
移動ほけん室と併せて、ご家庭では親の受診手帳とドコケアを活用して継続的に支援ができるといいですね!
契約専門職の皆様にどのようにドコケアを活用してもらいたいですか。
弊社のパートナーの方々は、フリーやパートをしていて、空いた時間で活動している看護師、管理栄養士がほとんどです。子育て中でいきなりのフルタイム勤務には不安を感じていて、復職のための一つのステップとして働かれている人もいます。
ドコケアであれば、自分の好きな時間に1時間から働けるので、新しい働き方の一つの選択肢になれば良いなと思います。
また、自社事業としては、介護職の方へ紹介できる業務が現状では形になっていません。したがって、つながりのある介護職の方にドコケアを紹介できれば喜んでいただけると思います。
どのような方にドコケアを利用してもらいたいですか。
安心して移動ができれば「もっと行きたいところがある」という方、「連れて行きたいけど時間がない」「受診に付き添えない」というご家族、「ここからの支援はサービスが受けられない」という保険制度の隙間に困ってきた人たちに利用してもらいたいと思います。
私自身、介護する側の家族として、公的支援の外出支援サービスを依頼したことがあります。自由度はかなり低いですが、それでも当時はすごく助かりました。ドコケアでは、より自由度の高いお出かけができるのではないでしょうか。
また、親は親で、家族が忙しいなかでどうにか時間を工面して付き添っているのを知っていますので、「早めに帰ろう」と気を遣ってしまいます。
ドコケアのような外部サービスをうまく使うことで、そういった遠慮も無くなると思います。
最後に、利用者の方へのメッセージをお願いします。
これまで諦めていた移動が叶うなら、きっとあなたらしい生活が取り戻せると思います。もっと自由に移動ができる未来を作っていきましょう!
会社名:株式会社F・Link
事業内容:移動ほけん室、親の受診手帳、産業福祉健康サポート など
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