思い出の地を再訪|看護師同行の家族旅行
先日、とあるご家族の念願の旅行が実現しました。
現役時代は働き詰めで、これまで家族旅行などにはあまり行くことができなかったBさんご一家。
「両親を連れて旅行に行きたい」
Bさんの息子さんの想いが出発点となり、4年前にも家族で訪れた長野県上高地へ、再び旅行されることになりました。
以前との違いは、Bさんが医療器具を身につけて生活されるようになったことです。
初めはさまざまな不安がありましたが、ドコケアの看護師が同行させていただいたことで、安心して旅行を楽しんでいただくことができました。
同じように医療器具がある中での旅行をお考えの方の一助になれば、との思いから、Bさんとご家族に許可をいただき、旅行の様子を紹介させていただきます。
旅行時までのお身体の状況
医療器具をつけての生活
Bさんは2021年10月と2022年3月にそれぞれ約2週間、誤嚥性肺炎により入院しました。
4月に無事退院することができましたが、食事は嚥下調整食になり、膀胱留置カテーテル(尿バルーン)が挿入されたままの状態での生活が始まりました。
何とか生活ができるようになったものの、尿バルーン関連のトラブルも何度か起きていました。
旅行中の対応への不安
以前のように旅行に連れていきたい。でも何かあったとき、自分たちだけでは対応できない……
医療器具があることによる不安が強かったため、普段から利用されている訪問看護ステーションからの紹介で、ドコケアに看護師同行のご依頼をいただきました。
旅行準備
旅行準備のための打ち合わせを、ご自宅とオンラインで一度ずつ行いました。
主な準備項目
- 必要な介護用品の準備
- ホテル周辺の道路状況の確認、道路状況に合った車椅子の選定と手配
- 特急列車の車椅子用座席の予約
- 駅構内の移動経路の確認
- タクシーの手配
- 宿泊するホテルにユニバーサルルームへの変更手配
- 食事のミキサー食への変更手配
事前の予約や確認事項がたくさんありましたが、息子さんが中心になって準備してくださり、ドコケア事務局でも抜け漏れがないかを確認させていただきました。
医療物品や必要な処置の準備は、同行する看護師が普段利用されている訪問看護ステーションと連携して準備を行いました。
そして上高地へ
事前に予約したタクシーと特急を利用し、無事現地に到着しました。
Bさんご一家は4年前に見た上高地の景色を再び見ることができました。
ホテルの部屋は設備の整ったユニバーサルルーム。とても居心地がよく、くつろぐことができたそうです。
食事はミキサー食に変更してもらい、食べやすい状態ではありましたが、息子さんとしても多めな量をBさんは朝も夜も完食され、ホテルの方が驚かれていたそうです。
「普段家ではあまり話さない父がよく話し、よく食べ、一番元気に楽しんでいました」
息子さんは、こう振り返っておられました。
旅行中の看護師の役割
「医療」と「こころ」の両面で
同行させていただいた看護師は、Bさんが痛みを訴えられた際に様子をみたり、毎朝の体調や皮膚状態の確認等を行いました。
看護師として何かあった場合にいつでも対応できる準備をしつつ、旅行中はご家族の輪に入り、一緒に楽しい時間を過ごさせていただきました。
写真は、息子さんが準備された珈琲の豆を順番に回しながら挽いている様子です。
「看護師さんが医療行為だけでなく、父の話し相手や世話、見守りをしてくれたおかげで、安心して父との時間を楽しむことができました」
息子さんから、こんな嬉しいお言葉をいただきました。
ご家族にも安心で楽しい旅を
介護をしながらの生活ではうまくいかないこともあり、家の中で言い争いになってしまうこともあったそうです。
今度の旅行中、Bさんが痛みを訴えられたとき看護師がすぐに対応できたことで、ご家族も安心でき、普段介護をしている奥さんも含めて旅行を存分に楽しめたそうです。
「本当はもっと早く連れてきてあげたかったけど、コロナもあったからね」
奥さんがおっしゃいました。
「上高地は最高だ」
最終日、Bさんはそうおっしゃりながら、帰路につかれました。
おわりに|旅行やお出かけを検討されている方へ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Bさんご一家のようなご家族の希望を叶えられるよう、ドコケアは今後も移動や医療に関して全力でサポートさせていただきます。
記事を読んで「私たちも旅行に行けるだろうか?」と思われた方は、お気軽にご相談ください。