顔なじみの訪問看護利用者さんの外出を叶える |角谷さん(看護師)

「あなたの街のドコケアさん」では、ドコケアに登録してくださった全国各地の魅力的な介助者さんをご紹介しています。

第4弾は、先日数年ぶりに友人に会いにお出かけした、阪神タイガースファンで、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の小野さんに付き添った看護師の角谷さんです。

小野さんのお出かけの様子はこちら

ドコケアの運営会社であるケアプロは、中野区と足立区に訪問看護ステーションをもっています。角谷さんは、普段は中野ステーションで働きながら、ドコケアの介助者にも登録してくださっています。

今回は、実際にドコケアを使ってみての感想、とくに顔なじみの利用者さんとともに初めて遠出をした感想について、語っていただきました。

▼ドコケアを使っていただいたきっかけを教えてください。

小野さんを担当するスタッフでケア会議を開いた際、以前小野さんが「花見に行きたいな」と、ちらっと言っていたことに思い至りました。そのときは「他人の手を煩わせてまで……」というためらいが小野さんにあったようで、結局花見には行きませんでした。でも、本当は外出したい気持ちはあるのではないか、また、少しずつ外出を試すことでハードルが下がり、小野さんのQOLを高められるのではないか、といった考えに至りました。

今回、ドコケアの「GIFT企画」があることを思い出し、改めて小野さんに持ちかけてみました。すると、友人の農場を見に行きたいと小野さんが言ってくださいました。また、小野さんのご希望として、その農場まで行くのには時間がかかるので、行くなら看護師がついてきてほしいとも話されていました。ドコケアではそれを叶えられるので、使ってみることとなりました。

▼どんな準備をして外出に備えましたか?

――角谷さんは、人工呼吸器を付けた方の外出支援をしたことはこれまでにありましたか?

ありません。

――人工呼吸器を付けた方の外出支援として、とくに大変だったことなどはありましたか?

事前にしっかりと準備をしていたので、当日はこれといった大変さはありませんでした。しいていえば、小野さんが長時間車いすに座っているのが本当に負担にならないかは、気がかりでした。

――準備というと、具体的にはどういうことをされたのでしょうか?

まず、ALSの方や人工呼吸器を付けている方の外出がどのようなものであるかについて、似た疾患の方がまとめた記事を読んだり、Youtubeも活用して調べました。Youtubeにちょうど小野さんと1歳違いの方の動画があり、同じような身体状況にある方がここまでできるんだということがわかり、少し安心しました。

また、準備しておくべき物品は何かを確認しました。とりわけ人工呼吸器に関することに注意を払って、たくさんの資料を読み漁りました。人工呼吸器は電源、バッテリーが不可欠な機械なので、機械のスペックについてはもちろん、小野さんの呼吸器設定の場合にどのくらいバッテリーがもつのかを事前に調べておきました。加えて、万が一のことを想定した対応策についても明確にしておきました。

▼外出は角谷さんにとっても楽しいものでしたか?

――ドコケアは、利用者の方はもちろん、介助者の方にも使いやすいサービスを目指しています。今回の外出が角谷さんご自身にとって楽しかったかどうかを率直に教えてください。

楽しかったです。私と小野さんはもちろん、奥様や介護タクシーの運転手さんも楽しそうにされていましたし、ご友人の方々も会えたことにとても喜ばれていました。

――そう言っていただけて何よりです。ちなみに、もし今後さらに長時間の外出がドコケアで依頼できるようになったら、介助者として負担が大きくなりすぎはしないでしょうか。仮に小野さんが泊まりの外出を角谷さんに依頼したと仮定して、いかがでしょうか?

さらに長時間の外出や宿泊も挑戦できると感じます。今回の外出を通して、やるべきことがわかったので、不安が減りました。ただ、今回の外出がなく、いきなり宿泊に同行するというのは正直不安が大きすぎます。利用者さんだけでなく、介助者側にもステップが必要だと思います。

▼最後に、今回のおでかけで一番よかったことを教えてください。

小野さんと奥様はもちろん、小野さんのご友人のニーズにも応えることができた点です。ご友人の方々は、小野さんに農場に来てほしいとずっと思っておられましたが、小野さんの体のことをご存知ですから、気軽に「来てほしい」とはなかなか言いづらかったようです。今回こうして看護師として外出に同行できたことで、ご友人の方々の長年の願いを叶えることにも携われたように思います。

 

角谷さんは、普段から顔なじみになっている利用者さん(小野さん)に安心して外出を楽しんでもらいたいという思いから、勉強を重ねてこられました。今回のインタビューでは、その結果として無事に小野さんの外出を実現できたことの喜びを語ってくださいました。

ドコケアでは、角谷さんのように顔なじみの利用者さんがいる方、そしてその方の力になりたいという志をもった方の登録をお待ちしております。顔なじみの利用者さんにも、ぜひとも声をかけてくださると幸いです。