産前産後の外出をサポートする|増田雄太さん(看護師・会社代表)
「あなたの街のドコケアさん」では、ドコケアに登録してくださった全国各地の魅力的な介助者さんをご紹介しています。
第3弾は、愛知県名古屋市でエイトカラーズ合同会社を立ち上げ、「産前からの子育て、子育ちを応援します」を合言葉に、産前産後ケアや子育て支援、IT関連の事業をしている看護師の増田さんです。
妊娠中・出産後のママさんやご家族が抱える外出支援の課題や必要なサポートを中心にお話していただきました。
ドコケア介助者登録をしたきっかけを教えてください
2019年8月にケアプロのホームページで「ドコケア」という新しいサービスが始まるという告知を見て、色々と調べさせてもらいました。
身体に病気や障害がある方、車椅子の方、移動手段が全くない方など、色々な課題を抱えて外出しづらい方々がいて、その方々の助けになるようなサービスなんだなと思いました。
それで自分も介助者としてドコケアに参加して、サポートをさせてもらいたいと思って登録しました。
今までの外出支援の経験を教えてください
自分は精神科病院で長く勤務していました。その中で、どうしても慢性期の患者さんは退院がなかなかできず、車椅子の方は外出もできず、もちろん外出の許可も出ていない方もたくさんいました。
病院の取り組みとして、一人で外出できない車椅子の患者さんなどを中心に、患者さんと職員が一緒に病院のバスに乗って、年に何回か、初詣に行ったり、夏には海を見に行ったりする行事がありました。
患者さんと一緒に、中ではなくて外を見るという経験を通して、職員側も楽しむことができましたし、外出の先々で患者さんの新しい一面を発見できました。
どんな外出支援をしたいですか
『どこか遊びに行きたい』、『買い物に行きたい』、『病院に行きたい』。
どなたでも、純粋に、どこかに行きたいという方に少しでも楽しい時間を持ってもらって、一緒に過ごしたいなと思います。
今は新型コロナウイルスの影響でなかなか外に出ることができない時代ですが、この事態が落ち着いたら、心の安定を求めてどこか遊びに行きたい。気晴らしに行きたい。といった方に対して、一緒に少しでも気晴らしになるような外出支援ができればいいなと思います。
[資料:ドコケアでできること]
エイトカラーズ合同会社としてどのようにドコケアを活用したいですか
エイトカラーズ合同会社では、主に2つの事業を行なっています。
1つは、医療系の学会の運営サポートをしています。学会には車椅子で来場されて介助が必要な方もいらっしゃるので、ドコケアのサービスが活用できるかなと考えています。
もう1つは、産前・産後ケアを中心に事業を行なっています。例えば、産前産後のママさんのためのデイケアを開設しています。
妊婦さんやあかちゃんを連れたママさんたちは、デイケアまでの移動が大変になります。ママさんたちの中では、こどもを連れてなかなか外に出ることができない、移動手段がない方がいます。今は弊社の中で送迎サービスも行なおうと考えていますが、ドコケアを活用して、自宅とデイケア施設までの往復の移動介助はドコケアにお任せして、弊社はデイケアでのサービスに集中できたらいいなと思います。ママさん個人にドコケアでの移動支援サービスを予約してもらうこともできますし、弊社が依頼者となってドコケアに依頼をするという形もいいなと思います。
また弊社には、助産師や理学療法士が在籍しており、弊社の車を利用したあかちゃんやママさんの移動支援経験があります。経験豊富な医療スタッフがドコケアの介助者登録をして、移動支援サービスを提供することも可能です。
[資料:法人でのドコケア利用イメージ]
産前産後の交通医療の課題を教えてください
妊婦さんの場合は、自分で車を運転できないので、特に車社会の地域では移動手段が問題となります。出産を終えて退院するときも、あかちゃんとたくさんの荷物で一苦労です。子育て中も、家にこもっていることでストレスがたまり、辛くなってしまうかもしれません。
外の空気を吸う機会を作るために、産後のママさんをケアする施設は少しずつできてきていますが、その施設までの移動手段が全くない状況の方もいるので、移動支援は必要だなと思います。
産前産後の方を介助するドコケア介助者へのアドバイスをお願いします
車で移動する際には、運転しながらでもあかちゃんの様子を常に観察できるように、カメラを使ったり、チャイルドシートが見えるように鏡をつけるなど工夫が必要です。
それから、必要な物品の確認が重要です。移動する車にはもちろんチャイルドシートが必要になりますし、安全におでかけできるようにおむつやミルクなど不足しているものはないかしっかり確認をしましょう。
そして、あかちゃんを車に乗せて移動するのは緊張すると思います。ママさんやご家族との関係性づくりをしっかりしておいて、一番は安全に移動をすることが大事だと思います。
最後に一言お願いします
ずっと精神科看護をやってきました。
移動介助をするときには、利用者さんがどんな表情をしているのか顔を見ながら、一緒にいる時間・一緒に過ごす時間を少しでも楽しい時間にしたいなと心がけています。
増田さんは、病院精神科で看護師をしていた時に、患者さんと海や初詣に行った経験が忘れられないとおっしゃっていました。現在、助産師や理学療法士の仲間と合同会社を運営し、車両も活用した移動支援の可能性を考えています。特に、出産後の退院支援や産後のレスパイト(子育てのストレス解消など)といった課題に対して、安全を第一に、一人でも多くの方を笑顔にできるように取り組まれようとされています。
ドコケアでは、増田さんのような個人としてだけでなく法人としてドコケアを活用してくださる方や、妊婦さんやママさんなど移動支援を必要としている依頼者・利用者さんの登録をお待ちしています。